どん底の森崎浩司を救った、森保一監督とふたりだけの早朝ランニング

■引退・森崎浩司@後編

 今シーズンかぎりでの現役引退を決意したサンフレッチェ広島のMF森崎浩司には、これまでのキャリアのなかで、双子の兄・森崎和幸とともに、感謝したい人がいた。その人こそ、現監督の森保一である。10分間の引退スピーチでは語ることのできなかった、森保監督との知られざるエピソードとは......。

 あれは、サンフレッチェ広島がJ1連覇に向けて戦っていた2013年シーズンのことだっただろうか。前年に森保一監督が就任し、J1初優勝の瞬間を双子の兄・森崎和幸とともにピッチで迎えた森崎浩司のキャリアは、まさにその人生において最高潮にあった。

 ただ、チームがJ1連覇を達成した2013年シーズン途中、浩司はケガがきっかけとなってコンディションを崩すと、ふたたびオーバートレーニング症候群に陥った。そして、ついには練習にも行けなくなり、休むようになった。本人が当時をこう振り返る。

「J1で初優勝したシーズンは、まったく疲れを感じない状態だった。それ以前もコンディションを崩して1年近く試合に出られない時期があったけど、あんなに苦しい経験をすることは、もうないだろうという思いが自分のなかにはあった。まさに、それが過信でした」

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