背は低いが立場は高い。錦織圭のツアーファイナルズ写真が語るもの

 今年のATPツアーファイナルズにおける錦織圭の立ち位置を象徴するかのような、1枚の写真がある。

 大会開幕に先駆けて行なわれたレセプションパーティで撮られたもの。年間レース上位8選手のみが立つ晴れの舞台に集った精鋭たちは、新調した仕立ての良い濃紺のスーツに身を包み、ランキング順に横一列に並んでいた。

 左に世界4位で身長196cmのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)、そして右に立つ193cmで世界6位のガエル・モンフィス(フランス)に挟まれた世界5位の錦織は、そのとき、ふと「俺、小さいな〜」と、昨年と同じ思いに襲われたという。比較的小柄かと思っていたドミニク・ティエム(オーストリア/写真一番左)でさえ、横に立てば、やはり自分より確実に高い。

 8人が一堂に会すると、全員を見上げるような形になる。それが、嫌というわけではない。ただ単に、「改めて、こんなに差があるんだな......」と、彼は自分の置かれる状況を客観的に見つめていた。

 長身が必ずしも有利ではないと言われるテニスだが、トップ選手たちの体格を見れば、一定の上背がアドバンテージになることは疑いの余地がない。近年では、さらに若く大型な選手たちの台頭も目立ち、我れ先にと競い合うように上位の壁を突破しにかかっている。その若手の旗手たるティエムは、ランキングは9位ながらも、8位のラファエル・ナダル(スペイン)が欠場したために繰り上がりでツアーファイナルズへ。

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