勝負に徹した「まるで鹿島のような浦和」。鉄壁の守備でJ1優勝に王手

 ピッチのいたるところで、激しい局地戦が繰り広げられていた。わずかでも隙を見せれば、鋭く寄せられ足を刈られる。地面に身体を打ちつけ、のたうち回る選手たち。そんな場面が、いったい何度見られたことか。

「ちょっとラグビーに近い試合だったんじゃないかな」

 浦和MF柏木陽介の感想に思わず大きくうなずいてしまった。記者席で試合を見ながら同じことを思っていたからだ。

 90分間にわたって繰り広げられたボールの奪い合い――。この試合を表現するなら、そういうことになる。とにかく相手にプレーさせないことを重視した「つぶし合い」とも言えるだろう。相手のプレスをかいくぐれない両チームの攻撃に物足りなさが残ったのは否めないものの、最後まで集中力を保ち、身体を張り続けた守備時における奮闘は、「タイトル」への渇望を表現していたように思う。

 とりわけその想いが強く漲(みなぎ)っていたのは、浦和レッズのほうだった。

 この試合に臨むにあたり浦和は、たしかに難しい状況にあった。リーグ戦から4週間近くも試合間隔が空き、直近の公式戦だった天皇杯からでも2週間以上も時間が経っている。

「22年間、監督として仕事をしているが、こういったルール、こういったスケジュールで仕事をするという経験はない。どういうふうにチームを持っていったらいいのか、手探りのなかでの仕事だった」

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