石井監督を讃えよう。レアルも驚く鹿島の「攻めながら守る」サッカー

 試合の興味をどこまでつなぎ止めてくれるか。鹿島アントラーズの健闘を期待したこちらにとって、カリム・ベンゼマが挙げた前半9分のゴールは、現実を知るには早すぎる痛い失点だった。観衆の反応も同様。瞬間、スタジアムに湧いた大きな溜息に、試合は決したも同然の空気を感じ取ることができた。

 しかし試合は、レアル・マドリードのひとり舞台にはならなかった。小笠原満男がその1分後に放った、ゴールマウスをかすめるようなミドルシュート。この一撃が、スタジアム内に緊張感を呼び戻すことになった。

 試合を早く終わらせ、タイトルを手にして帰りたい。そんな声が聞こえてきそうな、雑で淡泊な攻撃を繰り返すR・マドリード。対する鹿島は、何とかやっていけそうな手応えをつかんだかのように見えた。選手に自信が、時間の経過とともに漲(みなぎ)っていくようだった。

 それが前半44分、柴崎岳の同点ゴールとして結実した。端的に表れたのがアシスト役を演じた土井聖真の、その一連のウイングプレーだ。左サイドでボールを受けると、彼は切り返して右足でセンタリングを送ろうとした。ひと言でいえば、冒険心に欠ける無難なプレーである。

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