引退した永井秀樹の新たな挑戦。 「ヴェルディを再びチャンピオンに」

2016年引退特集(1)
「静かなレジェンド」永井秀樹(後編)
◆次世代の若手を育てた『永井塾』

 2016年11月12日に行なわれた引退セレモニー。永井秀樹は、多くの関係者やスタンドのファンが見守る中、こう挨拶した。

「自分自身、誇りに思えることが、ふたつだけあります。ひとつは、子どものときから大好きだった読売クラブ、ヴェルディでプロサッカー選手になれたこと。そしてもうひとつは、この愛するヴェルディで現役を引退できることです」

 2014年シーズン、永井は5度目のヴェルディ復帰を果たした。すでに43歳。それは「奇跡」と言っても大げさではないほど、永井本人さえ、夢にも思わなかった出来事だった。

「(最後はヴェルディに)戻りたい気持ちはあっても、現実的にはかなわない夢だと思っていた。最後、サッカーの神様が味方をしてくれて、いろいろな方々の理解のうえで夢がかなった。『ヴェルディで始まって、ヴェルディで終わる』ということができたのは、本当に幸せだと思う」

 若手主体のクラブ編成をしているにもかかわらず、40歳を過ぎた永井を加入させたことについて、当初はクラブ内でも懐疑的な声が多かった。しかし、若かりし頃に「天才ドリブラー」と呼ばれたスタイルから、巧みなパスでチャンスを演出する玄人好みのスタイルにモデルチェンジしていた永井は、次第に純粋な戦力として誰もが認める存在になっていった。

この記事の続きを読む

1