引退まで3ヵ月。木村沙織 「ひとりでも多くの人に来てほしい」

 木村沙織にとって最後の皇后杯は、最終日の前日、クリスマスイブに終わってしまった。準々決勝で岡山を破って4強まで駒を進めた東レだったが、日立の速いバレーの前に、やりたいバレーをさせてもらえず、ストレート負けを喫した。しかし、試合後の木村は、特に落ち込んだ様子も見せず、サバサバとした表情で記者会見に臨んだ。

「日立は今シーズンまだ勝ったことのない相手で、試合前は『絶対勝とう!』と、ムードはすごくよかったけど、自分たちの守りの部分、ブロックが得点につながらなかったり、その間のディフェンスが上がらなかったりで、連続得点ができず、こちらが我慢できずにミスを出してしまいました」

 その言葉通り、木村も得点源の迫田さおりも、1回でスパッと得点できるシーンが少なかった。自分たちでもそれを自覚して、リバウンドをとったり、レシーブで粘って相手のミスを待つ作戦だったようだが、その前にスピードのある攻撃で東レのディフェンスを崩されてしまった。

 東レは皇后杯から、新しいフォーメーションを試していた。サーブレシーブを3人でとるのではなく、木村と妹の美里の2人でとり、あとのサイドアタッカーはできるだけ攻撃に専念して、その枚数を増やそうというものだ。その戦術は、福岡大学と岡山相手には功を奏した。しかし、日立に対しては通じず、「もっともっとバックアタックなどで攻め切れていれば、このフォーメーションが生きたと思います」と迫田は唇を噛んだ。

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