高松大樹が語るトリニータ愛。 「本音を言えばJ1に上げて引退したかった」

■2016年引退特集(3)
「ミスター・トリニータ」高松大樹(前編)

「入団当初は自分がここまでできると思っていなかったし、2〜3年できればいいやと考えていました」

 ルーキー時代を思い出し、FW高松大樹はそう振り返った。

 山口県の多々良学園高(現:高川学園高)から大分トリニータに加入したのは2000年のとき。それから17年間もプロ生活を続けられるとは、当時の高松は思ってもいなかった。しかも、1年間のFC東京への期限付き移籍期間をのぞき、16年もの間、同じチームに在籍し、「ミスター・トリニータ」と呼ばれる存在となるなんて、想像もつかなかったに違いない。

 人見知りで朴訥(ぼくとつ)だった少年は、いつしか大分という街の魅力にどっぷりとハマり、大分トリニータというクラブが人生そのものとなっていた。そして、このクラブでJ1昇格、ナビスコカップ優勝といった歓喜に酔いしれた一方で、クラブの存続危機やJ3降格という悲劇も味わった。

 今シーズンかぎりで現役引退を表明した高松が歩んだこの17年間は、まさに「紆余曲折」という言葉が当てはまる。栄光、挫折、苦悩、そして希望......。激動に満ちたそのキャリアを、高松自身が振り返ってくれた。

 高松が引退を表明したのは、11月8日のことだった。今季J3での戦いを強いられた大分は、この時点で栃木SCに次いで2位。このままでは自動昇格は叶わず、入れ替え戦に回ることとなる。厳しい状況に追い込まれていた残り2試合のタイミングで、高松が自らの進退を公(おおやけ)にしたのにはワケがあった。

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