あのベッカムが「話せる男」に変身。 そのスピーチで聴衆をメロメロに

【サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】
■デイビッド・ベッカムの変身(前編)
 こんなベッカム、見たことない!

 南アフリカのヨハネスブルクで開かれたイベントで、デイビッド・ベッカムは1時間も話をした。おそらく彼にとって生涯の最高記録だ。

 このイベントの名は「ディスカバリー・リーダーシップ・サミット」。進行役はそろそろ時間切れだという素振りを見せるのだが、ベッカムははしゃぐ聴衆からさらに質問をつのっていた。彼は自分にこれまで欠けていたスキルを手に入れたようだ。話す能力である。

 僕はベッカムを、彼が1996年のウィンブルドン戦でハーフウェイラインからゴールを決めて以降、ずっと追い続けている。チャーリー・チャップリンやマリリン・モンローと同じく、ベッカムが「ブランド」として最も輝くのは口を開かないときだった。

 エレガントな彼がひとつだけ持っているエレガントとは言えない特徴は、その声にあった。甲高く、鼻にかかり、抑揚がない声で、いつもサッカーについてつまらない話しかしない。ベッカムの伝記作家のひとりは、僕にこう語ったことがある。「あの人は、面白い『文』を人生でひとつも口にしたことがない」

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