柳裕也をドラフト1位まで大きくした、 明大4年間の「人間力野球」

 神奈川の名門・横浜高校のエースとなった2年生の夏、柳裕也のボールを受けていたのは1学年上の近藤健介(日本ハム)であり、主将は乙坂智(DeNA)だった。同級生で、柳の控えだった田原啓吾は巨人の育成選手となり(昨年オフに戦力外)、最後の夏を一緒に戦った2歳下の淺間大基と高濱祐仁(ともに日本ハム)もプロの世界に飛び込んだ。

 2013年に横浜高校を卒業し、明治大学に進学した柳は、一足先にプロの道に進んだかつての仲間と再び同じ舞台に立つことだけを目標に据えていた。そして、4年の月日を経るなかで大学日本代表の主将となり、東京六大学野球でも昨年は春秋とリーグ連覇。10月のドラフトでは2球団の競合となり、中日ドラゴンズがくじを引き当てた。

 まもなく、柳のプロ1年目がスタートする。

「僕は遠回りしたとは思っていません。明治に入学していなかったら、今の自分はなかったと思います。(プロ入りに向けた不安は?)ありません。どういうレベルなのかわからない段階ですけど、最初から不安に思っていてもしょうがないですよね。プロになったら、うまくいかないことは絶対にあると思います。そのときに悩んで、解決していけばいい」

 横浜高校に入学した当初、柳は同級生のなかでも三番手の投手で、それほど期待を集めていた選手ではなかった。主戦投手となったのは、2年春のセンバツだった。当時、無名だった柳の経歴に目が止まった。

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