ツエーゲン金沢の選手御用達。お店の願いは「加賀の野菜で走り回って」

■「J2の味」紀行(1)〜ツエーゲン金沢

 石川県金沢市。『食べ処 大杉』は世に有名な兼六園のそばにある。看板には「おいしいね!加賀野菜」と大きく書かれている。

「野菜が好きやったら、日替わり定食がおすすめ。焼き魚か煮魚が付くよ。田舎料理やけん、口に合わんかったら、残してね」

 食堂の名物おばちゃんは、丸顔をさらに丸くして言った。

 もやしと青葱の味噌汁をすすり、キュウリとワカメのおひたしをつつき、かぼちゃの煮物に舌鼓を打つ。大根の漬物は野菜の滋味が感じられ、大盛りのご飯がやたらと進む。デザートの柿までがセットだ。

 店内には、地元の雄であるツエーゲン金沢のチームポスターが所狭しと貼ってある。昨シーズン、J2で苦難の道を歩いたツエーゲンは、どうにか入れ替え戦で勝ち残っている。J2残留が決まった翌日。カウンターには、その記事が一面の地元新聞がそっと置かれていた。

 壁に吊されたTシャツやユニフォームには、選手たちのサインが入っている。他チームのユニフォームは、昔ツエーゲンでプレーした選手が店に寄贈してきたもの。いや、寄贈という表現は堅苦しいだろう。

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