ジョコビッチが感じるテニス変革期。 「錦織は全豪OP優勝候補のひとり」

「試合後にネット際でアンディと握手するとき、思わずふたりして笑ってしまったんだ。シーズンの始まりで、いきなりコレだからね。今季、すべての試合がこんな内容になったら、えらいことになるなって」

 苦笑いとともに口にした勝者の言葉に、この一戦の持つ意味合いが、そして今季のテニス界の展望への予感が、すべて詰まっているようだった。

 2017年の開幕戦となる「カタール・オープン」決勝戦――。高層ビルに覆われる砂漠の町をシーズン始まりの地に選んだノバク・ジョコビッチ(セルビア)とアンディ・マリー(イギリス)は、多くの人々が予想したとおり決勝に勝ち進み、ファンが期待したとおり3時間近くに及ぶ白熱の死闘を繰り広げた。

 両者の執念が激しく拮抗する展開から先に抜け出し、第2セットでマッチポイントを握ったのは、ジョコビッチだ。しかし、マリーの驚異的なコートカバー能力が、そして立て続けにウイナーを奪うバックの強打が、簡単な結末を拒絶する。3本のマッチポイントをしのいだマリーは両手を振り上げ声援をあおり、ジョコビッチはラケットを叩きつけて悔しがる。4ゲーム連取でマリーが第2セットを奪ったとき、試合の趨勢(すうせい)は完全に入れ換わったかに思われた。

この記事の続きを読む

1