あれから5年。松本山雅・松田直樹 ゆかりの店は看板だけが残っていた

■「J2の味」紀行(3)〜松本山雅

 2016年11月、松本。J2最終節、松本山雅は本拠地のアルウィンで横浜FCに勝ったものの、2位の清水エスパルスとは得失点差による3位となって、昇格プレーオフに回ることになった。

 その翌日。目的の食事処へ向かった。

「今度、松本に来たら案内するよ!」。かつて、そう言われたことがあった。誘導する看板に従い、右折して道に入るも、それらしき建物はない。スマホでアプリを立ち上げ、地図情報を詳細に確認。玄関にお店のネオン灯が置かれた一軒家があった。呼び鈴を鳴らしても誰も出ない。ネオン灯はそっぽを向き、ほこりを被っていた。

「店の看板を見るけどさ、その人たちのことはよく知らないよ」と、通りかかった中年の男性は素っ気なかった。試しに登録されていた電話番号を押すと「現在使われておりません」と冷たいアナウンスが流れた。

 松本で命を燃やした松田直樹の痕跡を辿ろうとしたのだが、行く手はプツリと途切れてしまった。

「昔のことなんて、どうでもいい」。松田はそう言って、賞状やトロフィーなどを側に置かなかった。立ち尽くしたまま、そんなことを思い出した。

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