批判を覚悟でオ・スンファンをWBCに選んだ韓国代表監督のイバラ道

「代表監督として重圧を感じるときは、いかなるときか?」

 以前、韓国の金寅植(キム・インシク)と話をしていたとき、そんな質問に彼は、苦笑を交えつつ、だが真顔でこう応えた。

「監督そのものが重圧だよ」

 韓国では今、国内リーグが隆盛期を迎えている。昨季、リーグ全体の観客動員数がプロ発足後初めて800万人を超えた。日本の2300万人には及ばないが、人口が日本のおよそ半分弱であり、リーグも10球団であること、球場の規模が日本より小さいことなどを考慮すれば、かなりの動員といえる。

 選手の年俸も軒並み上がり、特にFA資格を有する選手は、移籍であれ残留であれ、再契約時には莫大な金額を手にするようにもなった。ちなみに今季、サムスンからKIAにFA移籍する崔炯宇という外野手は、4年総額100億ウォン(約10億円)という破格の条件を勝ち取った。

 その反動だろうか。選手もファンも、近年は国際大会への関心がかつてに比べて薄れつつある。選手とすれば国内で得るものが大きくなり、無理に国際大会に参加してケガをしたくない。ファンも国際大会の一時的な過熱より、ひいきチームの国内リーグ優勝に関心が募る。いわば"内向き"でも十分やっていける。これはアメリカであれ、日本であれ、共通したある意味 "成熟した一面"といえるだろう。

 とはいえ、いざ本番となれば野球ファン以外の関心度が高まり、大きく盛り上がりはする。「我が国の野球が世界を制覇する」──高揚感がファン、いや国民の意識を支配するのだ。

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