【月刊・白鵬】横綱が語る、稀勢の里の横綱昇進と時天空との別れ

◆第69回:稀勢の里

大相撲初場所(1月場所)では、稀勢の里が悲願の初優勝を果たし、
待望の日本出身横綱の誕生となった。その稀勢の里の飛躍について、
「宿敵」である横綱が語る――。
 大相撲初場所(1月場所)では、14勝1敗の稀勢の里が初優勝。場所後、72代横綱に推挙されました。

「横綱を狙える器」と誰もが認め、実際にここ数年の間は綱取りとなる場所が何度となくあった稀勢の里。これまではその"壁"をなかなか打ち破ることができませんでしたが、ようやく今回、重圧をはね除けて綱取りを果たすことができました。その悲願達成を、心から祝福したいと思います。

 横綱昇進、おめでとうございます!

 昨年の九州場所(11月場所)では、横綱・鶴竜が14勝1敗で3度目の優勝を飾りました。稀勢の里は準優勝ながら12勝にとどまり、初場所を迎えるにあたって、いわゆる「綱取り」の場所だったわけではありません。

 そして迎えた初場所、序盤戦は私と稀勢の里が全勝を続けていましたが、8日目に私が1敗目を喫し、翌9日目には私と稀勢の里がそろって敗戦。優勝争いは混沌としていきました。

 その間、横綱・日馬富士が7日目から、先場所の覇者である鶴竜も11日目から休場。3横綱のうち2人がいなくなって、ひとり残った私は横綱として一段と踏ん張らなければいけない状況になりました。

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