WBC「イスラエル代表」秘話。日本も警戒すべき結束力に歴史あり

 いよいよ今夜、侍ジャパンの日本での最終戦が行なわれる。対戦相手は、今大会"旋風"を巻き起こしているイスラエル。競技人口5000人ほどという世界ランキング41位の国が、本戦出場を果たしたばかりでなく、次々と強豪国を破り2次ラウンドへと駒を進めたのはなぜか。

 メンバーのほとんどがアメリカ人で、元メジャーリーガーを含む現役プロ選手、またはプロ経験者で占められており、それゆえ"第2アメリカ代表"とも揶揄されているが、彼らを単純にそう括(くく)ってしまうのは早計だろう。

 選手がどの国のメンバーになるのか、規制の緩さがなにかと話題にのぼるWBCだが、その"緩さ"を最大限に利用したイスラエル代表チームは、ある意味、人々がグローバルに移動する現代社会の縮図のようなチームだといえる。

 おそらく今回のイスラエル代表チームのメンバーに、「第2アメリカ代表」と思っている選手は皆無だろう。彼らのなかには、世界中に散らばるディアスポラ(離散)の民、ユダヤ人の代表という意識しかないはずだ。アメリカ国内でも頻繁にユダヤ系によるスポーツ大会が開かれており、決して今回のチームは"寄せ集め"などではない。

 アメリカ建国以降の19世紀に大量のユダヤ人がヨーロッパから大西洋を渡った。その主な行き先のひとつが、野球が生まれた町・ニューヨークだった。当時、アメリカに渡った移民たちは、自らのアイデンティティの拠りどころとするために民族別のスポーツチームを結成したと言われており、野球草創期にはユダヤ人の中からも野球の手ほどきを受ける者が現れた。

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