どんでん返しのスイッチを入れた錦織圭。敗色濃厚から「怒濤の攻め」

 勝利はおろか、試合を終えられるのかすら疑わしい窮状から、それこそ"どんでん返し"のスイッチが入ったかのように、突如として試合の流れも、スタジアムを覆う空気までもが入れ替わった――。

 マイアミ・オープン4回戦の対フェデリコ・デルボニス(アルゼンチン)戦。

 第2セット終盤に左ひざに痛みを覚え、治療を受けながら挑んだ第3セット最初のゲームで、錦織圭はいきなり4本のダブルフォールトを犯した。それでもこのゲームは必死にしのぐも、第3ゲームではストロークでミスを重ね、ついに致命的とも思えるブレークを許す。顔をしかめ、うなだれる錦織の姿に、客席からも同情と失意の混じる重い溜め息がもれた。

 勝敗はすでに決した......。そんな空気がコート上に立ち込めるなか、かすかに見えた変化の兆しは、リードする者が犯したいくつかのミスショットである。ブレーク直後の最初のポイントで、フォアをネットにかけるデルボニス。

 続く打ち合いでは、錦織がミスをしないと誓ったかのように相手ショットに食らいつき、長いラリー戦の末に最後は相手のミスを誘った。続くポイントでは、ネットをかすめた錦織のショットが相手コートに落ちる運も味方する。最後も、デルボニスの迷いのショットがネットを超えず、大方の予想に反し錦織が即座にブレークバック。

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