大宮がダービーで見せた「瀬戸際の力」。弱すぎた流れを断ち切れるか

「今日はダービーだったんで」

 勝利を収めた大宮アルディージャの選手たちは、思いを噛みしめるような声でそう洩らしている。浦和レッズとのゲームは特別だったのだろう。同じ埼玉の宿敵に、本拠地NACK5で負けられない、と。

 しかしそれ以上に、大宮陣営は彼ら自身の命運をこの日に賭けていたのだろう。開幕以来、1分け7敗で最下位。これ以上の不振は、監督更迭などチーム解体につながる可能性もあった。劇的に軌道を修正し、浮上するためには、またとない一戦だったのだ。

 大宮は昨シーズン、Jリーグ年間5位のチームである。なぜ彼らが今シーズン、8試合勝ち星なしと大きく出遅れたのか?

 その理由はシンプルだ。チームの飛車角だったMF家長昭博、泉澤仁がそれぞれ移籍。単純にその穴が埋まっていない。補強はしたものの、同じキャラクターの同じレベルの選手は獲得することができなかった。

 しかし、ここまで負けが込んだ理由は別にあるだろう。

「勝てない→自信がなくなる→昨季に戻そうとするが、主力はいない→プレーに逡巡(しゅんじゅん)が出る→勝てない」

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