一軍と二軍の狭間で苦悩する沢村賞右腕。攝津正の復活はまだなのか

「今日のピッチャー、攝津だってよ」

 この日の先発投手がアナウンスされると、満員札止めのスタンドが少し湧いた。

 満員といえども、その数は3113人。そう、ここはファームなのだ。昨シーズンから新しい本拠地を手に入れたホークスの二軍は、一軍の圧倒的な人気もあってか、タマホームスタジアム筑後にも連日多くのファンが詰めかけ、この日の阪神戦も試合前から賑わいを見せていた。

「ボールパーク」の名のもと整備された、アメリカのマイナーリーグのそれを思わせるスタジアムそのものがファンを惹きつけているのに加え、豪華な二軍の陣容もまた、集客に貢献している。

 なにかと話題に上る松坂大輔だけでなく、日本球界に復帰後の調整期間には川?宗則もいた。現在故障中のエース・和田毅もここで肩慣らしをすることになるだろう。これだけの"元メジャーリーガー"が二軍に集結していた。

 また、開幕以来スタメンに名を連ね、ホームランを量産している新外国人カイル・ジェンセンもそう。彼が放つ特大の一発を目の当たりにして、プルペンにいた敵の投手が試合途中にもかかわらず、思わずカメラマンに尋ねる。

「彼は去年、どのくらいホームランを打ったんですか?」

 調べると、彼もまた"元メジャーリーガー"だった。3Aで30本のホームランを放ったジェンセンは、メジャーデビューを果たしたダイヤモンドバックスでも2本のホームランを放っている。

 ホークスの二軍は、器だけでなく、チケット代に相応しい魅力がフィールドに溢れている。そして、攝津正もまた、この二軍にあって「チケット代を取れる選手」のひとりである。

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