理想のサッカーを追求して現在14位。ベガルタはどこまで我慢できるか

 観衆は1万人にも満たなかったが、スタジアムを包み込んだ熱狂は、その数には比例しなかった。こぢんまりとしたサッカー専用スタジアムの特権だろう。ひとつの感情が2倍にも3倍にも膨れ上がり、選手たちの背中を強く押した。

 早い段階で先制を許し、前半の大宮アルディージャのゴール裏はシュンとしていたが、60分に同点に追いつくと、そのエネルギーが一気に爆発する。チャンスと見るや大歓声が沸き起こり、相手のファウルや消極的なプレーには大ブーイングが鳴り響く。そして89分、悩める新エース・大前元紀が鮮やかなトラップから逆転ゴールを叩き込むと、NACK5スタジアムの雰囲気は最高潮に達した。

 まるで、生きるか死ぬかがかかったシーズン終盤の残留争いの様相である。観衆が作り上げた情熱的な空気は、間違いなくこの日、大宮の勝因のひとつとなっていた。

 一方、敗れたベガルタ仙台はその雰囲気に飲まれてしまったのだろうか。同点に追いつかれてからの彼らのパフォーマンスは、どこか臆病で、消極的で、実に歯がゆく映った。

 開幕2連勝――。幸先のいいスタートを切った2017シーズンの仙台だったが、その勢いは持続せず、J1リーグ第11節を終えて14位と、気づけば降格圏が背後に迫っている。

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