錦織圭、失意の敗戦から「足りない何か」を求めジュネーブへ緊急参戦

 敗戦後の会見で見せた失意は、ここ最近では、もっとも深く濃いように映った。瞳を伏せ、抑揚を抑えた声のトーンで、自らに語りかけるようポツリポツリと紡ぐ言葉......。

「自分のしなきゃいけないことができなかった。もちろんチャンスはあったが、大事なところを取りきれないところが、タイブレークや2セット目の最初のほうにも出てきたのかなと思います」

 BNLイタリア国際の3回戦。フアン・マルティン・デル・ポトロ(アルゼンチン)に6−7、3−6で敗れた錦織圭は、敗戦のショックというよりも、持てる力を出しきれなかったもどかしさを持て余しているようだった。

 右手首のケガのため約1ヵ月半ぶりの実戦となった先週のマドリード・オープンでは、産みの苦しみの初戦を突破し、その後テニスの調子は上がったものの、痛みの再発により準々決勝のノバク・ジョコビッチ(セルビア)戦は棄権。そのため今回のローマ・マスターズも、ケガの状態を確かめながらの戦いとなるかに思われた。しかし実際には、開幕戦を控えた練習時も、そして実際に戦った初戦(1回戦免除の2回戦)でも、錦織が放つショットに不安の影はまったくと言ってよいほど見られない。

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