菊池雄星を磨くもの。ウルフとの英会話、今も続ける「野球ノート」

◆菊池雄星インタビュー(後編)
 こんな高校生に初めて出会った――。そう思うほど、インパクトのある言葉だった。今から8年前、岩手・花巻東高3年生だった菊池雄星はこんなことを言っていた。

「勝てない不調のときこそ、インターネットの掲示板を見ます。掲示板を見て、批判されていることに対して『よしよし、もっと言え』って思っていました。『見るな』という人もいますけど、自分としては見たほうがいい。勝てないときはだいぶ悪く言われましたけど、それがエネルギーになっていましたから」

 すでに全国に名前が知れ渡っていた高校3年の秋だった。菊池は毀誉褒貶(きよほうへん)にさらされた1年を思い起こすように、静かな口調で語った。菊池の内に潜む芯の強さを見たような気がした。

 プロ入り後にインタビューすると、さすがにもうインターネットの掲示板を見ることはないという。プロともなれば、アマチュア時代とは批評される規模が桁外れになる。「自分がコントロールできないことは考えないようにしている」と、成熟したアスリートへの階段を上がっていることがうかがえた。

 それでも、その後もインタビューするたびに菊池が言っていたことがある。それは「僕は『あいつはもう終わった』と言われたこともある選手ですから」という、自虐とも恨み節とも取れる言葉だった。

 プロ入り当初、左肩痛やチーム内のトラブルに巻き込まれ、数々の心ない言葉を浴びてきた。その悔しさ、反骨心はいまだに菊池の根底にあるのだろう。

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