上昇気配の逃げ馬ステイインシアトルが、函館記念でぶっちぎる条件

 逃げ馬は、いつも一発大駆けの可能性を秘めている――。

 そのことを改めて思い出させてくれたのが、前走・GIII鳴尾記念(6月3日/阪神・芝2000m)を鮮やかに逃げて勝ったステイインシアトル(牡6歳)だ。

 2走前、オープン特別の福島民報杯(4月16日/福島・芝2000m)。2番人気に支持されたステイインシアトルは、スタート直後こそハナを切ったものの、すぐに他の馬に先頭を奪われて、スムーズな競馬ができずに6着と敗れた。

 だが、続く鳴尾記念ではスタートしてハナに立つと、一度もそれを譲ることなく、その前のレースとは別馬のような粘り強さを披露。断然の1番人気スマートレイアーの猛追もクビ差しのぎ切った。

 以前、関東のあるジョッキーに聞いたところでは、逃げ馬の好走の要因は自らレースの主導権を握る有利さもあるが、それ以上に、視野の広さからくる心理面のプラスが大きいという。

 馬群の中にいて、前にも左右にも馬を見て気を使いながら走るより、先頭で何ものにも視界を遮られず、周囲の景色だけを見て走るほうが、よほど気分よく走れる。この心理面における"爽快感"や"安心感"が、馬の持つ力を存分に引き出したり、いつも以上の力を引き起こしたりするそうだ。

 逃げ馬を楽に逃がすと厄介なのは、このためだ。また、普段は逃げない馬が、たまに逃げて思わぬ力を発揮して穴をあけることがあるのも、このためらしい。

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