【月刊・白鵬】横綱が分析する「天才棋士」藤井聡太四段の強さ

■第73回:藤井聡太

大相撲名古屋場所(7月場所)が始まった。
横綱は元大関・魁皇が持つ通算勝利記録を目指して奮闘中だ。
そんななか、今世間で大きな注目を浴びている、
将棋界の「天才少年」藤井聡太四段について語ってもらった──。
 7月9日から始まった大相撲名古屋場所(7月場所)。4横綱のうち、4日目から鶴竜が、6日目から稀勢の里が休場してしまったのはちょっと残念ですね。

 私は、初日から白星を重ねることができています。心をかき立てているのは、魁皇関が達成した通算1047勝という偉大な記録に追いつき、できれば追い抜きたいという決意であり、意欲です(7月15日現在、通算1043勝)。

(優勝から5場所も遠ざかってきた)この1年は、特に1勝の重みを実感してきました。横綱になって丸10年。今は一番一番丁寧に、かつ横綱らしく星を重ねていければと考えています。その結果、記録を達成することができれば、言うことはありません。

 ところで、私の所属している宮城野部屋は6月中旬から行なっていた滋賀県長浜市での合宿後、少し早めに名古屋の宿舎に乗り込みました。名古屋の宿舎は、町中から少し離れた緑区鳴海町のお寺の中にあり、近隣にもお寺が点在していて、とても落ち着いた雰囲気です。

 お寺の高台にある庭に土俵を作って、雨よけのテントを張るのは若い衆の仕事です。ゆえに、大阪、名古屋、福岡と地方場所の場合は、稽古場を整えるのにも数日間の時間が必要となります。

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