東海大菅生が日大三に完勝した舞台裏。綿密なシナリオで早実も標的に

 5対0――。

 この試合を見た者であれば、この勝敗が決して番狂わせなどではなく、がっぷり四つに組んだ末の結果であることは十分に感じられたはずだ。

 今夏の西東京大会、早稲田実業と並んで優勝候補の筆頭格に挙げられていたのは、早実の後塵を拝してきた日大三だった。投打に超高校級の素材であるエース左腕・櫻井周斗に、爆発的な飛距離を誇るスラッガー・金成麗斗(かなり・れお)、強肩強打のリードオフマン・井上大成、高校トップクラスの強肩捕手・津原瑠斗(つはら・りゅうと)らを擁し、戦力的には早実をしのぐと見られていた。そんなチームが西東京大会準々決勝で、東海大菅生に完敗を喫したのだ。

 両校は春の東京大会4回戦でも対戦しており、その際は日大三が4対3で勝利を収めている。しかし、敗れた東海大菅生もまた、衝撃を与えていた。この試合で東海大菅生は5人もの投手を次から次へと投入し、その全投手が高い能力を発揮したからだ。

 チームを指揮する若林弘泰監督は試合後、こう語っていた。

「負けましたけど、収穫はありました。どのピッチャーがどういう感じで投げられるか、その線引きができたかな。5人全員がいいので、誰がエースなのかわからないくらい。それが逆に弱みになっているのかもしれませんが」

 先発した将来性の高い左腕・中尾剛(2年)は1回1/3を投げて4失点と力を発揮できなかったものの、以降の4投手は日大三の強打線を無失点に封じた。そして4番手で登板し、2イニングを無失点で抑えたのが3年生右腕の松本健吾だった。

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