フィジカルをハードに改造中。神野大地の走りは「山の神」時代と違う

◆神野プロジェクト Road to 2020(3)

 陸上日本選手権の男子1万mが始まろうとしていた。

 大会2連覇を目指す大迫傑ら日本の長距離界の主力級が集合し、スタートラインは独特の緊張感に溢れている。大阪・長居競技場がシーンと静まり、スタートの号砲が響いた。

 神野大地は中盤あたりの位置をキープしていた。ペースが遅く、タイム的には厳しくなりそうだ。3000mほどで列が長くなり、神野が早くも先頭グループから遅れはじめる。表情が歪み、ちょっと苦しそうだ。練習での調子は悪くないと聞いていたのだが、体がスムーズに動かないように見える。結局、神野は最後までスピードが上がらず、29分36秒05の20位でフィニッシュした。ミックスゾーンで神野は汗にまみれ、疲れ切った表情で言った。

「29分36秒......うーん、まぁタイムは悪いですけど、前半、遅いペースでラクではなかったですし、まだそれほど走りの練習ができていたわけではないので、今の自分ではこんなもんかなって感じですね」

 優勝した大迫傑のタイムが28分35秒47だ。タイムだけ見ると全体的に物足りないが、しかし、神野の中ではタイムとは違う手応えがあったという。

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