ラモス、カズ...夢舞台を手作りした永井秀樹「引退試合」ドキュメント

永井秀樹「ヴェルディ再建」への道(3)
〜あの夜、彼が伝えたかったこと(前編)

◆わずか1カ月の準備期間で豪華メンバーが次々と参加

『奇跡』という言葉は、簡単に使うべきではない。しかし、8月14日に開催された永井秀樹(現東京ヴェルディユース監督兼GM補佐)の引退試合、『OBRIGADO NAGAI』は、まさに"奇跡"のような出来事が積み重なって実現した――。

「現役引退を発表した昨年まで遡(さかのぼ)ると、当初は今年2月に引退試合を開催していただける予定で、『ヴェルディのプレシーズンマッチと合わせて』という話になっていた。結局、その話はまとまらず、夏が近づいてようやく、羽生(英之)社長(東京V)のご尽力のおかげで『8月に開催』と正式に決まった。

 ただ、正式な日程が決まってからの準備期間は1カ月ちょっとしかなかった。会場は自分のこだわりを尊重していただき、思い入れのある西が丘サッカー場を押さえていただいたものの、スポンサーも、参加メンバーも未定。親しい友人、関係者も含めて、周りからは『今からでは絶対、間に合わない。延期すべき』と言われた(笑)」

 引退試合開催までの顛末を振り返って、永井は苦笑した。

 筆者自身、永井からその話を最初に聞いたとき、正直「Jリーグの日程的にも、8月開催は難しいのでは......」と思った。中身は何も決まっておらず、告知期間も短い。仮に引退試合は実現しても、花道にふさわしい面々がそろうのかという不安も感じた。

 しかし蓋(ふた)を開けてみれば、『J LEGENDS』の監督は釜本邦茂氏、『VERDY LEGENDS』の監督は松木安太郎氏が快く引き受けてくれた。

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