60歳ラモスの怒声とパス。永井秀樹が引退試合で伝えたかったこと

永井秀樹「ヴェルディ再建」への道(4)
〜あの夜、彼が伝えたかったこと(後編)

◆強かった頃のヴェルディその空気感を伝えたかった

 8月14日、西が丘サッカー場。永井秀樹(東京ヴェルディユース監督兼GM補佐)の引退試合、『VERDY LEGENDS』vs『J LEGENDS』が行なわれた。

 試合前のロッカールーム。永井は、『VERDY LEGENDS』の一員に加えたヴェルディの若手、澤井直人(22歳)と井上潮音(20歳)を部屋に招き入れた。永井が現役だった昨季まで、練習後の自主トレーニング"永井塾"で面倒を見ていた有望株でもある。

「強かった頃のヴェルディの選手は、『こうやって試合に集中していくのか』『こういう雰囲気だから、強かったのか』という空気感を、これからのヴェルディを担う若手に伝えたかった。これは、実際に肌で味わって、経験しないとわからないことだから」

 ロッカールームでは、すでに試合前のミーティングが行なわれていた。ホワイトボードの前では監督を務める松木安太郎氏が、カズ(三浦知良)や武田修宏氏、北澤豪氏ら「黄金時代」を築いたそうそうたるメンバーにゲームプランを説明していた。そんな中、エースナンバー「10番」のユニフォームを着たラモス瑠偉氏は、松木監督に遠慮なく意見をぶつける。

 最初は同窓会的な雰囲気で和やかだったロッカールームも、試合開始が近づくにつれて、張り詰めた緊張感が漂い始めていた。すると......。

「ふざけんじゃないよ!」

 ロッカールーム内で怒号が飛んだ。前座試合(国見OB対帝京OB)にも出場し、本番の前半は『J LEGENDS』のメンバーとして出場する永井が、この場にいないことに気づいたラモス氏が大声で怒鳴り散らしたのだ。

この記事の続きを読む

1