迫る降格圏。それでも「残留の達人」ヴァンフォーレ甲府は自信あり

「ここから(残り試合)9連勝してもおかしくはない」

 ヴァンフォーレ甲府の吉田達磨監督は試合後、ロッカールームで選手たちを鼓舞している。本拠地で0−1と敗れた後だったが、吉田監督は気負いなく言った。熾烈な残留争いの最中、なにもやけっぱちになっているわけではない。

「サッカーになっている」

 掴み取った根拠があるのだ。

 9月9日、J1リーグ第25節。山梨中銀スタジアム、甲府は清水エスパルスを迎えている。

 13位の清水は、勝ち点差4の15位の甲府に対し、負けられない試合だった。もし負けた場合、残留争いの真っ只中に放り込まれる。地理的、文化的に近いこともあって、甲府には清水のサポーターが大挙して押し寄せていた。

 しかし、清水のプレーは精彩を欠く。

「前半はボールを回せず、押し込まれた。守備もファーストディフェンダーの足が動かなくて」(清水・小林伸二監督)

 必然的に、甲府がペースを握った。イニシアチブを取ってボールを回し、動きの中でスペースを作り出し、縦横にボールを運び、ゴールに迫る。前半13分には、チームとして白眉の連係があった。

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