名打撃コーチもたまげた、広島カープ「ワンランク上の選球眼」とは?

◇名コーチ・伊勢孝夫の「ベンチ越しの野球学」連載●第12回

 セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)は3位DeNAが2位阪神を下し、ファーストステージを突破。日本シリーズ進出をかけてCSファイナルステージでセ・リーグの覇者・広島と戦う。今季の広島はペナントレースを圧倒したように、投打とも充実している。その広島を攻略するにはどのような作戦が有効になるのか? 選手、コーチとして長く球界に携わった伊勢孝夫氏に広島対策を分析してもらった。

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 チーム打率.273、チーム本塁打152、得点736はセ・リーグ断トツ。盗塁数もリーグ唯一の3ケタとなる112。この数字を見れば、誰だって広島打線が強力なことはわかる。ただ、本当の広島打線の怖さは、こうした数字には表れていない部分にある。結論から言えば、"選球眼"の良さだ。それもボール球を振らないというのは当たり前のことで、広島の選球眼はもうワンランク上のもの。一見、地味に映るかもしれないが、その選球眼の良さが強力打線の支えになっている。

 たとえば、2ボール1ストライクと打者有利のカウントになったとき、打者は打ちにいきたるのが普通だ。しかし、そんなときほど不得手な球種に手を出したり、ボール球を打ちにいってしまったりして、凡打に打ち取られることが意外と多い。

 その点、広島の打者たちは、いわば"打ちにいくときの選球眼"がものすごくいい。打ち気にはやるカウントでもきっちりボールを見極め、自分が打てる球だけ振りにいく。ストレートを待っていたとしても、外角低めに決まる球は打ちにいっても安打になりにくい。それを広島の選手たちはわかっているのだ。

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