エースとは何か? 菊池×則本の投げ合いで蘇った「11年前の対決」

 2006年の"エース対決"は、今でもくっきりと脳裏に刻まれている。

 当時は『プレーオフ』が正式名称だったパ・リーグの頂上決戦、その第1ステージは、リーグ2位のライオンズと3位のホークスが激突した。その初戦、先発のマウンドを託された"二人のエース"は、防御率がリーグ1位と2位、勝ち星もリーグトップの18勝と17勝、奪三振は205と200、"エース対決"に相応しい数字を叩き出していた。

 その二人とは、このシーズン、投手5冠に輝いたホークスの斉藤和巳と、満を持してメジャーへ移籍する直前のライオンズ、松坂大輔だ。

 得てしてエース同士が投げ合うと、ともに早々に崩れる打撃戦になったりするのだが、この日は圧巻の投手戦。斉藤が真っ向から投げ下ろすストレートと落ちるボールでライオンズに力勝負を挑めば、松坂は手にした技術のすべてを駆使して、力強さにしなやかさが加わった完成度の高いピッチングを披露する。

 この試合は、1−0で松坂が斉藤に投げ勝った。

 当時、二人は『エース』について、こんな話をしていた。

「エースに求められるのは負けないピッチングをすることだと思います」(松坂)

「エースというのは大事な試合を任されるピッチャーだと思っています」(斉藤)

 エースとは――突出した数字を叩き出すと、ピッチャーはしばしばこの問いを投げ掛けられる。問われるまでもなく、その答えを探していたピッチャーもいれば、問われて初めて自らの想いを言葉にしようとするピッチャーもいる。

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