神野大地、東京マラソンの内幕。なぜ今回は腹痛が起きなかったのか


「正直、自分もヤバいと思いました(苦笑)。あそこで遅れると絶望ですもんね。腹痛が起きたわけでもないのに、なぜあそこでキツくなったのか。あとで心拍数を計った時計を見てみると、その時は心拍数が199になり、レース中で一番数値が上がったんです。たぶん、離されて焦ってしまったのと、浅草付近は2回カーブがあるんですが、うまく回れず、さらに焦ってしまった。そこで心拍数が一気に上がり、キツくなったんだと思います」
 だがこの時、神野は非常に冷静な判断をした。遅れるとランナーは心理的に前を追いたくなる。だが、神野はここで我慢した。それは過去の経験が生きたからであろう。苦しいなか、無理して走ると必ずと言っていいほど腹痛が起きるか、もしくは後半にダメージが残った。ここで無理に前を追えば、さらに状況が悪くなると察知したのだ。
「前と差がかなり開いてしまったんですが、追う力を使わなかったというか、いい風に言えば、追う力を使わずにそのまま自分のペースでいきました。あそこで無理して追っていたら腹痛が出るか、25キロぐらいでダラダラになり、ゴールするのがやっとみたいなレースになっていたと思うんです。それだと、MGCを獲れない可能性が出てくる。タイムを見てもそんなに落ちていなかったので、最後まであきらめずに自分のペースで走ろう。そこはブレずにいました」
 しかし、自らを鼓舞して走るなか、神野は”中だるみ”に陥りそうになっていた。

関連記事(外部サイト)