苦労が報われたホンダF1。開幕戦3位表彰台も喜んでいる場合じゃない

彼らにとっては、(2014年以降の)V6時代で初めての表彰台だ。それもすごくうれしいね」

 そんな歓喜の渦の中、ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターに笑顔はなかった。ホンダの面々の努力が実ったのだから、うれしくないわけなどない。しかし、喜んでばかりもいられない――。それが、厳しい目で現実を見詰める田辺テクニカルディレクターの本心だった。

「うれしいですし、正直に言えばホッとした面もあります。今まで『勝ちにこだわって』と言いながら表彰台にすら上がれていなかったのが、上がれたことは明らかな一歩前進ですから。長い間開発してきたメンバーにとって、自分たちのパワーユニットを載せたクルマがそういうポジションにつけたのは自信になります。
 しかし当然、手放しでは喜べないという気持ちもあります。予選・決勝を通してメルセデスAMGの強さと、彼らとの差はハッキリと見えていますから、大喜びしている場合ではない」

 たしかにコース上でフェラーリを追い抜いたあのシーンは、ホンダの躍進を顕著に表わす場面であり、あまりに感動的だった。

 しかし、そこに至った背景を忘れてはいけない。

 3位を走行するベッテルが14周目にピットインしてルイス・ハミルトンとの逆転を狙うも、ハミルトンはこれに反応してピットに飛び込みポジションを守った。

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