バルサ監督が語るデータ活用術。「メッシに伝えること、任せること」

彼自身の色のようなものは、ほとんど感じられない。地元の人々が支え、キャリアを通じて在籍し続ける選手も多いクラブでは、トップチームの監督はただの「通りすがり」でしかないことを、バルベルデは理解している。

 僕がインタビューしてから2日後、バルベルデは2020年まで契約を更新した。だが、そんなものは、彼が何試合かに敗れれば、ほとんど意味がなくなる。
 バルベルデとデータ分析チームは、1週間のほとんどを次の対戦相手の研究に費やす。彼は僕に、自分の得たものをどのように選手に伝えているかを語ってくれた。

 バルサのプレースタイルは、どの試合でもほとんど変わらない。相手の陣地でパスゲームを展開することをめざし、危険な位置でボールを失うケースは6回までに抑える。これが6回あれば、相手に決定的なチャンスをだいたい3回与えてしまっている。危ない位置でボールを失うことが6回を超えたら、バルサはいいプレーをしているとは言えないという。

 特定の試合に向けて戦術を組み立てることは「気休めにすぎない」と、バルベルデは言う。

「選手が何も考えていないときでも、戦術があれば助けになる。アメリカの作家がこんなことを言っていた──何をやってもうまくいかないとき、戦術があれば自分の居場所がわかるし、やるべきことがわかる。うまくいっているときには、何も考えず、戦術など忘れていい」

 いつもバルベルデは、試合に臨む選手たちに、相手チームの選手がどこにポジションをとるか、どの選手が守備の穴になりそうか、相手は試合のどの段階で体力を落とすかを伝える。

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