プレミア7年目の吉田麻也は、主審との駆け引きもスキルアップ


「1点目はオフサイドだった。だから後半が始まる前に、審判に(ピッチに向かう)トンネルの中で(オフサイドだったと)言った。それが効いたのかもしれない。そういう駆け引きも大事です」
 同点弾を奪われたあとに、吉田は審判団にアピール。勝利を手繰り寄せるため、主審と駆け引きすることを忘れていなかった。だが、リバプールの高速カウンターとサラーの決定力を目の当たりにして、思わず肩を落とした。
 こうした一瞬たりとも気の抜けない厳しい戦いに身を置いてきたからこそ、プレミア在籍7季目の吉田はDFとして大きく成長した。相手のうまさに舌を巻きながらも、何をすべきか、何が足りないかを自問自答する。そして、実践してきた。
 それでも本人はまだ、「危機感しかない」と訴える。「レギュラーの座をガッチリ掴んだように見えるが」と記者団から質問が飛ぶと、吉田は次のように答えた。
「そんなことないですよ。練習では誰が先発になるかわからないし、毎回メンバーも変えている。最後の最後に『これでやるか』という感じにまとまるので。こうした危機感や緊張感は常に持っている。これは別に今シーズンだけではなく、この7年ずっとそう。安心させてくれる監督はひとりもいないです」
 イングランド・プレミアリーグは「世界最高峰の舞台」と謳われる。高度な戦いのなかで身を削り、駆け引きの大事さも学んできた。そして、厳しいレギュラー争いのなかで抱える危機感――。
 この7シーズンで吉田が、ひと回りもふた回りもたくましくなった理由が見えた気がした。

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