佐藤琢磨、ポールトゥウィンの舞台裏。インディカー参戦10年目の進化

それが成功しなければ、次のラップにはレッドのグリップはもう低下していただろう。琢磨はその1周だけしかないチャンスをものにして、ポールポジションを獲得した。琢磨がトップの座から押し出したのはチームメイトのレイホールだったから、RLLがフロントローを独占することになった。

 これまでの2戦で思いどおりのパフォーマンスを発揮できずにいたRLLだが、バーバーの予選では一転して大活躍。その影にはオフの間にエンジニアたちが進めた2018年のデータの再解析、そして、ベテランエンジニアの加入があった。それにより、今までとは異なる角度からの視点や分析がプラスされ、新たに提案されたセッティングがトライされ、それが成果につながったのだ。琢磨は予選3段階でマシンを研ぎ澄ますことに成功。周回を重ねるたびに速くなっていった。
本番でも、琢磨はスタートからレースのイニシアチブを握った。その重要性を強く認識していた彼は、1速のギヤを低いものに変更してもらい、チームメイトのレイホールを突き放す。1周目にビシッと差をつけると、その後はリードをジリジリと広げていった。

 3ストップ作戦を採用し、ピットタイミングを若干早めに設定した琢磨陣営は、2ストップ作戦のブルデイをレース半ばでパス。ミスなく走り切れば優勝できる状況を手に入れた。この後に出されたフルコースコーションも不利には働かず、残り25周で切られたリスタートも無難に決めて、逃げ切り体制に持ち込んだ。

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