佐藤琢磨、ポールトゥウィンの舞台裏。インディカー参戦10年目の進化



 残り5周、琢磨がターン8で飛び出した。ランオフ・エリアに乗り上げる時に一瞬ジャンプしたが、芝生の上を走ってコースへ復帰。トップの座は保ったままレースを再開し、チェッカーフラッグを潜った。

「最後のリスタートの後は、2位以下との間隔を2秒ぐらいに保ち続けることを目指していました。懸命にプッシュしつつ、燃費をセーブしながら走りました。しかし、必要な時にはプッシュ・トゥ・パス(一時的にターボのブースト圧を引き上げるシステム)を使いました。最後の10周はかなりハードで、ターン8前のバンプでバランスを崩し、コースオフしました。でもあのコーナーは、飛び出してもまっすぐに行けば、マシンにもタイムにもダメージがないとわかっていました」(琢磨)

 予選、レースと最速を続けて優勝を飾った琢磨。好調のディクソンとチップ・ガナッシ・レーシングを真っ向勝負で打ち負かしての勝利には大きな意味がある。ディクソン自身、「今日は琢磨がすばらしかった。RLLがベストのレースを戦ったということ。我々だって勝ちたかったが、2位でポイントを稼げたことで満足したい」と語ったほどだ。
 このような戦いを、琢磨とRLLは次のロングビーチでも見せることができるだろうか。 2013年に初優勝を飾ったコースだけに、琢磨はロングビーチが好きだし、得意にもしている。さらにその次のインディカーGPも、インディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースが舞台だ。

 インディカー参戦10年目。42歳になった琢磨は進化を続け、エンジニアリングが強化されたチームの協力によって、より強くなっている。

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