すでにプロ10球団がマーク。福井の公立校に最速145キロ左腕出現

ボールの走りもいつもよりよくなかったし、6〜7割の出来だったんじゃないですか」と答えた。
 そして春木監督は、すぐ近くでクールダウンのキャッチボールをしていた玉村に、「だよね?」と尋ねた。玉村は顔をしかめながら「全然ダメです」と応じた。すると傍らにいたチームメイトが「いらん変化球のフォアボールもあったしな!」とはやし立て、笑いが広がった。その一連のやりとりから、丹生というチームのアットホームな雰囲気が垣間見えた。
 偵察に来ていた高校のスピードガンによると、この日の玉村の最高球速は139キロだった。自身の最速である145キロには及ばない数字である。だが、玉村の真価は球速だけでは測れない。軽い腕の振りでも捕手のミットに収まるまで勢いが死なない。球質のよさにかけては高校球界屈指だろう。この日のバックネット裏には複数球団のNPBスカウトの姿もあり、すでに10球団が玉村の動向をチェックしている。
 クールダウンを終えた玉村は、この日のピッチングを振り返ってこう語った。
「ボールが死んでいて浮くことが多かったですし、狙ったところにもいきませんでした」
 以前までは、春木監督に言わせると「いつも『オリャ〜!』と全力で投げる男気ピッチング」だったという。だが、春木監督の助言を受けながら経験を重ね、打者の顔色を見ながらピッチングに強弱をつけられるようになった。

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