「バルサの化身」。現役を引退するシャビが目指す監督像とは?

これはクラブ歴代第1位の記録である。さまざまなカップ戦も含めると、出場試合数は800近いだろう。

 リーガ優勝8回、チャンピオンズリーグ優勝4回、スペイン国王杯優勝3回、クラブワールドカップ優勝2回……。タイトルを書き連ねると淡々としたものになるが、この一部だけでも体験できる選手が何人いるだろうか。

 シャビはスペイン代表選手としても、新たな時代を切り拓いている。”無冠の無敵艦隊”と揶揄されていたスペインを、司令塔として2度の欧州制覇(2008、2012年)、そして2010年南アフリカワールドカップ王者に導いた。その功績は計り知れない。あのリオネル・メッシも成し遂げられていない世界王者になっているのだ。

 だが、シャビの偉大さは、やはり数字やタイトルでは語ることができない。

 プレーメイキングは天才的だった。ビルドアップで、自らの足下にパスを呼び込む。当然、敵が潰しにかかってくる。シャビはそれを予測し、相手の逆を取って、くるりと反転し、かわす。むしろ、相手を引きつけるように。そうすることで、味方の次のプレーを解き放つ。壮大なボールゲームを可能にしたのだ。
 その挑戦的な姿勢こそ、シャビの極意であり、バルサイズムそのものだった。

「自分たちがボールを持っていれば、決して敗れることはない」

 1988年にバルサの監督に就任したヨハン・クライフは、チームに前衛的な哲学を植え付けた。

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