錦織圭、起死回生の逆転勝利。競り勝ってベスト8への扉をこじ開けた

錦織圭、起死回生の逆転勝利。競り勝ってベスト8への扉をこじ開けた

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両手を天に突き上げ、深い藍色の空を仰ぎ見るその姿が、この試合の……いや、長い一日の苦しさを、そして手にした勝利の価値を物語っていた。
 自分でも「覚えがない」というほどに久しぶりに経験した、ローマ・マスターズでの一日2試合。その2試合目である3回戦では、幾度も剣ヶ峰に追い詰められながらも起死回生のプレーで蘇り、執念でベスト8への扉をこじ開けた。

錦織圭は体力的に厳しくもダブルヘッダーを制してベスト8進出を果たす

 この日1試合目のテイラー・フリッツ(アメリカ)戦は、理想的とも言える勝利だった。
 前日の雨のため全試合が翌日に繰り越された大会は、練習コートまでも用いる多面同時開催で、スケジュールの消化を測る。そのため、第4シードの錦織圭の試合が組まれたのは、第4コート。客席はコートサイドの片面にしかなく、低いフェンスを挟んだすぐとなりで別の試合も行なわれている、小ぶりな戦いの舞台だ。
 客席から人が溢れ、立ち見のファンが幾重にも人垣を築くなかで行なわれたその試合で、錦織は世界6位の強さを遺憾なく発揮する。
 4番コートはスタジアムに比べて球足が速いと言われ、その点ではビッグサーバーのフリッツに有利に働くかに思われた。だが、いざ試合が始まれば、冴えわたったのは錦織の鋭いストロークとリターン。

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