井上尚弥がパッキャオなみの「世界的スター」になるために必要なもの

どのくらいの規模のスターかと問われたら、答えるのは難しいが」
 ギボンスの言葉どおり、パッキャオのキャリアの最大の幸運は、同世代にバレラ、モラレス、マルケスというメキシコの英雄たちが存在したことだった。この3人と熾烈なライバル関係を築き、勝利を手にした時点で、パッキャオはすでに殿堂入りに価するボクサーだった。
 その後、ウェルター級まで一気に階級を上げ、オスカー・デラホーヤ(アメリカ)、ミゲール・コット(プエルトリコ)、リッキー・ハットン(イギリス)といった各国のスターたちを蹴散らしたことで、パッキャオの評価は別次元まで飛翔する。これほどの”ブレイクスルー”が可能になったのは、やはり”メキシコ三銃士”とのライバル関係による基盤があればこそだった。
 当時のパッキャオと比較して、今の井上にはWBSSの決勝で対戦するドネア以外に好敵手が豊富にいるとは言えない。それでもドネアとの新旧スター対決を制し、そのあとに同級のWBO王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)との統一戦を組めば、注目ファイトになるだろう。
 また、WBC王者ノルダン・ウバーリ(フランス)が、井上の実弟でもある暫定王者の井上拓真(大橋ジム)を退けた場合、”弟の復讐戦”は話題のイベントになる。さらに、日本リングから追放になった元WBC王者ルイス・ネリ(メキシコ)との因縁ファイトを海外で開催するという”奥の手”もある。

関連記事(外部サイト)