CLとEL決勝のカードが示す「フットボールをめぐる力の移り変わり」

CLとEL決勝のカードが示す「フットボールをめぐる力の移り変わり」

CLとEL決勝のカードが示す「フットボールをめぐる力の移り変わり」の画像

【サイモン・クーパーのフットボール・オンライン】
「サッカーの首都」になったロンドン(前編)

 ロンドン北部の殺風景な界隈に生まれたトッテナム・ホットスパーの新しいスタジアムは、「すばらしい」のひと言に尽きる。

 スタジアム内のクラフトビール店では、ビールがハンドフリーで注がれる。ビールを上から注ぐのではなく、カップの底から湧き上がってくる画期的なサーバーが使われ、1分間に1万パイントを用意することができる。ショップはすべてキャッシュレス。サウススタンドだけで1万7500人を収容する。ボーンマスのスタジアム全体を上回る人数だ。

 トッテナムの新しいホワイト・ハート・レーンは、フットボールをめぐる力の移り変わりを示してもいる。イギリスの首都ロンドンが史上初めて、このヨーロッパのゲームの首都になったのだ。

 今シーズン、ヨーロッパ規模の大会の決勝に進んだ4チームのうち、3チームがロンドンのクラブであることは、まったく偶然ではない。チャンピオンズリーグ決勝にはトッテナムが進出し、ヨーロッパリーグの決勝はアーセナル対チェルシーだった。これらはヨーロッパで最高のクラブというわけではないが、本拠地のロケーションのよさが、フットボールの伝統的な強豪と対等に戦う力を与えている。


ヨーロッパリーグ決勝の「ロンドン対決」を制したチェルシー photo by Getty Images

 フットボールの発祥から1世紀以上にわたり、ロンドンのフットボールはさほどの存在感を示さなかった。

1 2 3 4 次へ

関連記事(外部サイト)