トーレス、引退へのカウントダウン。歓声にもプライドは満たされず

トーレス、引退へのカウントダウン。歓声にもプライドは満たされず

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梅雨真っ盛りの霧雨は強風にあおられ、薄い煙のようになって地上に舞い落ちていた。

 その日、先発に入った元スペイン代表FWフェルナンド・トーレス(サガン鳥栖)だが、試合前のウォーミングアップから身体が重かった。ポストからのシュート練習では、利き足の右足でシュートを放つも、バーの上へ大きく吹かした。降りしきる雨のせいだったのか。

 先発メンバーの発表が場内アナウンスで流れると、トーレスは敵軍の選手にもかかわらず、温かい拍手を送られていた。愛され、尊敬されているのだろう。ゴールゲッターとしてアトレティコ・マドリード、リバプール、チェルシーなどビッグクラブで大暴れし、スペイン代表では欧州選手権で2度優勝し、W杯も制覇した。その経歴を考えれば、不思議ではない。

 ウォーミングアップの最後にもう一度、トーレスはくさびに当て、シュートを打っている。左に流れてきたボールを、身体を開いて右足で打ったが、左ポストに当たって外れた。タイミングを外すシュートだったのかもしれないが、不器用にも映る。うつむいた表情は硬かった。


川崎フロンターレ戦に先発したものの、シュート0に終わったフェルナンド・トーレス(サガン鳥栖)

<自分はこんなものではない>

 その苛立ちが一挙手一投足から伝わってくる。

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