佐々木朗希だけじゃない。岩手の公立校の強肩強打捕手にプロも注目

佐々木朗希だけじゃない。岩手の公立校の強肩強打捕手にプロも注目

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「センキタ打つぞ〜!」
 10メートル×20メートルほどの小さな室内練習場に大きな声が響く。だが、その場でティーバッティングをしていた20人近い部員からは威勢のいい反応が返ってこない。
「あれ、2人しか返事してねぇよ!」
 そう言ってあきれたように身をすくめたのが、黒沢尻工業の野球部を率いる石橋智監督である。「センキタ」とは、7月13日に岩手大会初戦で対戦する専大北上のこと。新チーム結成後3戦3敗している天敵を意識した檄だったが、選手は一歩引いているように見える。

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 石橋監督のフレンドリーぶりは、初対面の人物なら必ず圧倒されるはずだ。会話をすれば1分に1度は笑い話を交えるサービス精神があり、場をなごませる。メディアにとってはありがたい存在である。しかし、日常的に接する選手たちにとっては、感覚が麻痺していくのかもしれない。ある選手が冗談混じりに言った言葉に、深く納得させられてしまった。
「松岡修造さんだって、たぶん毎日一緒にいたら疲れるじゃないですか」
 けっして嫌われているわけではない。なかには「監督引退後はよしもとクリエイティブ・エージェンシーに入ったほうがいい」と語る部員もいる。だが、石橋監督と野球部員の関係は、まるで陽気な父親にクールに接する思春期の息子たちの構図そのものだった。

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