佐々木朗希だけじゃない。岩手の公立校の強肩強打捕手にプロも注目


 黒沢尻工は公立校だが、学校の近所にある民営の寮で暮らす寮生もいる。58歳の石橋監督も寮に住み込んでいるため、寮生にとっては比喩ではなく、父親代わりなのだ。
 石橋監督は経歴もユニークだ。1986年夏には秋田工の監督として25歳にして甲子園に出場。その後は青森大の監督になり15年間で大学選手権8回、明治神宮大会1回出場に導き、青森山田中でも指導者を務めた。中学、高校、大学の3カテゴリーで全国大会に導いた指導者はほとんどいないだろう。
 岩手県の公立高校の指導者に転じた後、2015年に黒沢尻工に赴任すると、低迷していた古豪を再建。2017年秋には県大会準優勝、東北大会ベスト8、近年は県ベスト8の常連へと育てている。
 しかし、石橋監督はこんな不満を口にする。
「県立高校はベスト8に入ったら一息ついちゃうんだ。本人も親も『頑張ったなぁ』という雰囲気になっちゃう。本当なら、『こっからだぞ!』となんなきゃいけないのにね」
 石橋監督の長い指導者人生のなかでも、今年のチームは実力がある。3番・捕手の石塚綜一郎は高校通算38本塁打(7月5日現在)をマークする注目選手。ほかにも主将の佐々木駿介は身長180センチ、体重100キロの巨体から破壊力満点の強い打球を放ち、1番から9番まで長打が飛び出る強打線である。
「打線は甲子園に出た秋田工よりはるかに上ですよ。

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