自動車教習所の教官が選手。梅田学園の奮闘に都市対抗の面白さを感じた

入社10年目にはチーム状態が不安定で、「年下のヤツも増えてきたし、どうしようかな……」と現役続行が揺らいだ時期もあった。
 そんな苦労をくぐり抜けての都市対抗出場である。堤にとってはHonda熊本の補強選手として出場した2017年以来の東京ドームだったが、「Honda熊本もよかったですが、やっぱり自分のチームで出る都市対抗は格別ですね」と雰囲気をかみ締めた。
 初出場チーム同士の対戦になったシティライト岡山(岡山市)との一戦は、追いつ追われつの熱戦になった。梅田学園は2対4と2点ビハインドを許した6回裏、先頭打者として4番・堤が打席に入った。
「流れをどうにか変えたいと思った」という堤は1ボールから甘く入った変化球をとらえ、ライトスタンドへと消えるホームランを放った。一塁側のベンチ、スタンドは総立ちとなり、堤のホームランに快哉を叫んだ。堤はその熱狂に酔いしれた。
「もう一生にあるかないか……ということなので。いつもよりゆっくりとベースを回りましたよ」
 しかし、その後はシティライト岡山のリリーフ左腕・平岡航(伯和ビクトリーズからの補強選手)に抑え込まれ、梅田学園は3対4で敗れた。試合後、堤は「なんとか1勝したかった」と絞り出し、その思いを語った。
「(梅田碇備)社長にはここまで野球部を存続してもらったので、なんとか1勝を挙げてちょっとでも恩返ししたかったです」
 一塁側スタンドには「交通安全」と染め抜かれた横断幕が掲げられた。

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