アンディ・マリーと英国民の確執。あれから13年…誰もが愛す存在に

両者は、2016年ウインブルドンの男女シングルス優勝者。夢のペア誕生は、それだけで大きな話題となった。
 セリーナ(Serena)の名と、マリーが持つナイトの敬称「サー(Sir)」をかけて「SerAndy」の愛称で呼ばれたふたりの最初の試合は、夕闇が迫るセンターコートに組まれた。
 スタンディングオベーションでふたりを迎えた観客は、転倒するほどに必死なセリーナの姿に感激し、時速130マイルのマリーのサーブに熱狂する。マリーのリターンウイナーで勝利が決まった時、まだ芝が多く残る大会6日目のセンターコートは、暖かな拍手と声援で英雄の帰還を祝福した。
 その混合ダブルスも3回戦で敗れたことで、マリーの復活のウインブルドンは全日程を終了する。気の早いメディアは「いつシングルスに復帰するのか?」と問うが、マリーはいつもの無機質な声で応じた。

「みんなが具体的な時期を知りたがっているのはわかっているが、それは僕にもわからない。9カ月か12カ月か……18カ月かもしれない。長い道のりだが、戻れるようにベストを尽くすつもりだ」
 長い旅の目的地がどこなのか……。それは、まだ誰にもわからない。
 ただひとつ、確かなことがある。それは、たとえどのような結果を迎えようとも、マリーは今や、イギリス中の人々が愛し、勝敗に限らずその挑戦を心から祝福する存在ということだ。

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