悲願の甲子園へ前進。死闘を制した佐々木朗希が対戦相手に伝えた決意

延長10回裏には、3番の岸田直樹が128キロのスライダーをとらえ、レフトポール際へもう少しでサヨナラホームランという大飛球を放った。この場面を含め、大船渡の夏の終わりを覚悟させるようなシーンが何度もあった。
 最終的には延長12回表に佐々木がライトポール際に勝ち越し2ランホームランを放ち、その裏を佐々木が3者連続三振で抑えて大船渡が死闘を制した。
 試合終了後の整列で佐々木と抱き合ったのは、先発して7回1失点と好投した菊地である。菊地は少年野球時代に佐々木と投げ合い、その際は1対1の同点で抽選の末に勝利した経験があった。
「お前らなら絶対に甲子園に行けるから、公立高校の代表として絶対に甲子園に行けよ!」
 そう語りかけた菊地に、佐々木は「ありがとう。絶対に行く」と返したという。試合後、菊地は晴れやかな表情で佐々木への思いを語った。
「朗希は小学校の頃から背も高くて細かったけど、とにかく『球が速い』というのが第一印象でした。ヒザから下が長い体型も昔から変わらないですね。あらためて球の速さ、変化球、キレ、スタミナ。どれをとってもやっぱり違うなと思いました」
 試合後、佐々木は疲れた様子も見せずに報道陣の前に現れた。
「負けたら終わりなので、プレッシャーもあったんですけど、そのなかで勝ち切ることができたのでよかったです」
 いつもどおり言葉少なではあったが、主催者側が用意したイスに座ることなく、直立して報道陣の受け答えに応じた。

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