5季連続甲子園出場の3人が中心。 智弁和歌山が挑む「負けられない夏」

そんな高校野球史に残る選手が、この夏の智弁和歌山には3人もいるのだ。

 夏の甲子園大会の開幕日。開会式を終えると、49校の主将が室内練習場に集まり、それぞれ取材を受けていた。5度目の入場行進を終えた黒川は、記者との受け答えも慣れたもので、貫録を漂わせていた。もちろんそれだけではない。試合時の甲子園球場の雰囲気も、打席から見える景色も、黒土の感触も、夏の日差しや浜風も……さらに言えば、大会中の過ごし方、宿舎の部屋の様子や周辺の地理もすべて熟知している。

「宿舎も5回目なので、久しぶりに家に帰ってきたみたいな感じです」というコメントからも、余裕がうかがえる。
 高校野球の世界では、よく”経験力”という言葉が使われる。2004年のセンバツで史上最速となる創部3年目で日本一に輝き、同年夏も甲子園準優勝に輝いた済美の話を、当時の監督である上甲正典に聞いたことがある。

「選手は本当によくやってくれました。経験力っていうのはすごく大きくて、ウチの選手たちは創部と同時に入ってきました。つまり先輩がいないから、1年の時からすべての大会に出て経験を積んでいったんです。3年になった時には『どこと対戦しても負けられない』という気持ちになっていたんじゃないかな。それくらい、高校生にとって経験というのは大きいんですよ」

 黒川にあらためて連続出場することへのメリットを聞くと、「5季連続というより、甲子園で4回負けてきた。

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