履正社ナインが語る豪打の秘密。ねじ伏せられた屈辱が才能に火をつけた
2019年08月16日 18時57分 Sportiva
「はたして今日は、どっちの履正社か……」。
8月7日に行なわれた履正社(大阪)と霞ケ浦(茨城)との試合前、私の興味はそこにあった。4年ぶりに制した大阪大会では、7試合を戦いチーム打率.367、10本塁打と強打で打ち勝ってきた印象が強い。
ただ大阪大会で残した数字と、実際に試合を見て受けた印象には多少の差があった。選手個々の能力の高さは、今年の大阪では間違いなく最上位。準決勝では昨年夏の南大阪代表の近大付を7対2で下し、決勝では準々決勝で大阪桐蔭を破った金光大阪にこちらも7対2で勝利するなど、活発な打線で押し切った。
初戦でプロ注目の霞ケ浦・鈴木寛人からホームランを放った履正社・井上広大
一方で大阪大会の7試合のなかには、こんな2試合もあった。
まず4回戦の大阪電通大戦。電通大は「大会序盤で当たると嫌な相手」とある中堅私学の監督が”警戒”していたチームではあった。ただ昨秋は3回戦、今春は初戦で敗退しており、結果だけを見れば実績を残していない。それゆえ、戦前の予想は履正社が圧倒的だったが、試合は2対1と辛勝。
そして準々決勝の桜宮戦も2対0とロースコアでの勝利だった。桜宮は体育科を持つ公立校で、甲子園経験もある実力校。