アトランタ五輪で千葉と川上が示した日本女子長距離ランナーの底力



 アトランタ五輪の頃はまだ予選が実施されており、中5日おいて決勝が行なわれるスケジュール。7月27日の予選で第1組になった川上は、序盤で全体のペースが上がらないのを見ると、1200m過ぎから王軍霞の前に出て、4000mまで先頭で走る積極性を見せて5位で予選を通過した。

「先頭で走ったからには決勝に残らないとシャレにならない、と思いました。ダメだったら『先頭に立たなければよかったね』と言われるから」(川上)

 第2組では千葉が、「前の組で川上さんが先頭に立ったから、『オーッ、前で走ってる』と思いました。速いペースで行って確実に残るほうがいいなと思ったので、自分のリズムで行きました」と、中盤に独走状態にして4位。鈴木は7位、と全員が決勝に進出した。

 決勝進出者がゼロだった男子1万mとは対照的な結果だった。なかでも2000m過ぎから6800mまで先頭を独走した千葉は「いつもの私のレースをやっただけ。気持ちいいけど、決勝でもああいうことができればいいなと思った」と、初出場の五輪にもまったく臆する様子がなかった。
 8月2日の決勝は世界記録保持者の王だけではなく、錚々たる選手が揃った。92年バルセロナ五輪1万m優勝のデラル・ツル。後年の00年シドニー五輪1万mで2位、5000mで3位、さらにマラソンでもワールドマラソンメジャーズの初代女王になったゲテ・ワミ。

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